IGPI VOICE

変革を牽引するプロ経営者となり、日本の製造業の復活を目指す

疋田 英朗

副カンパニー長 ディレクター(MSC)

2021年5月入社

プロスタッフ(中途入社)

日本の製造業の復活に向けて最前線に立つ

前職では、電子部品メーカーにて、大学院時代に取り組んだ蛍光体材料の研究と関連する研究開発職に従事していました。しかし、会社の業績悪化に伴い、勤務先のR&Dセンターが拠点統廃合により閉鎖され、職務内容が大きく変化しました。この変化自体は特に不満はなかったものの、なぜ会社の業績が悪化したのか?なぜ拠点統廃合を行ったのか?などの疑問が生じ、経営に興味を持ち始めました。また、日本の製造業は20年以上も前から「国際競争力の低下」が叫ばれ、長らく苦境に立たされている実感が強くありました。そこで、製造業の復活に向けて最前線で戦うべく、会社経営の根幹に携われるコンサルタントを志望していたところ、IGPIものづくり戦略カンパニーの「日本の製造業を強くしたい」という理念に共感を持ち、入社を決めました。IGPIは企業再生に強みを持っているため、自身が実現したいことに挑戦できる土壌があるとも感じました。

徹底した見える化と、成果への固執

入社後は、総合電機、自動車部品、化学素材、産業機械など多様な業界で戦略の策定から実行支援まで幅広く携わり、テーマも企業再生だけでなく、成長戦略やM&Aなど多様性があります。特に印象に残っているのは、戦略策定後にクライアント企業へ出向したプロジェクトです。このクライアントは、最先端の技術を応用した非常に高度な製品を開発設計しており、学生や社会人からも人気の高い花形部門で社内的にステータスのある事業部でしたが、社会的な人気とは裏腹に、業績としては10年以上も営業利益ベースで赤字が続いており低収益が状態化していました。役員もこの事業に誇りを持っていたため、業績が悪くても長年お咎めがなかったのですが、全社的な業績不振から「聖域なき構造改革」 が意思決定され、遂にこの花形部門にもメスが入ることになりました。

収益向上施策として、通常は「売上向上」+「コスト改善」の2本柱となりますが、製品の特性上、市場ニーズが固定的なため「売上向上施策」ではなく「コスト改善施策」を中心に据える必要があり、コスト構造の大きなウェイトを占める人件費の削減に踏み込まざるを得ない状況でした。ただし、「科学技術発展を背負っている」というプライドを持つ方々が集まるこの事業部にそれを受け入れてもらうためには、リストラ以外のコスト改善施策も蓋然性ある範囲で最大限に織り込んだ事業改善計画の立案が不可欠でした。そこで内部の費用分析を行ったところ、エンジニアが予算感覚を持たないまま、より良いものを目指して自由にものづくりをしており、原価管理が全くされていないことが発覚したので、まずは散在していた原価情報を統合し原価管理の仕組みを新たに構築することと、エンジニアの方々のコスト意識の醸成が急務という結論に至りました。しかし、現場を動かすことはそう簡単ではありません。クライアント企業の経営層からの要請もあり、我々が出向し、原価管理の仕組みの確立~定着とエンジニアの意識改革支援を担うことになりました。出向当初は現場の非協力的な状況が続き非常に難儀したのですが、原価管理手法の改善や度重なる説明会の実施、本社役員・事業部門長も巻き込むことで全社員一丸での取組活動に仕立て推進した結果、色々な幸運にも恵まれ、10数年ぶりに黒字化を達成することができました。

製造業の企業変革は、原価の見える化や原価管理の仕組化等、細かな工夫の積み重ねが極めて重要なのですが、これらを現場だけでやり切ることは非常に難しいと思います。我々がそこに関与し、クライアントから逃げずに成果に固執し、変革の一翼を担えたことは自分にとっても大変意義深い経験となりました。

時代の変化を捉え、いま重要なトピックスに挑む

現在、日本の製造業は具体的なCO2削減効果の高い施策と実行が求められているため、カーボンニュートラル戦略の策定支援や環境ビジネスに関連した新規事業の構想策定などのニーズが高まっており、脱炭素社会に向けた取組みのプロジェクトが非常に増えています。このような全世界的な流れから生じる新たなトピックスは、もちろん初めから知見があるわけではないので、日々の良質なインプットとプロジェクトでのアウトプットを連鎖させ、時代の変化を捉え続けることが重要です。IGPIグループには、多様な経験を重ねてきた仲間が多く集まっていますし、アドバイザリーボードの方々のご見解に触れる機会があったり、各業界知見者の講演があったりと、最先端のトピックスをキャッチアップする仕組みが昔からあります。様々な分野の知見を持った各パートナーにも相談しやすいカルチャーでもあるため、良質なインプットを得る場として優れていると感じています。また、一つ一つのプロジェクトで成果を創出していると、クライアントから次々と新しいトピックスのご相談をいただくので、アウトプットのチャンスも広がっていきます。このような環境で、知見やノウハウを深めながら挑戦する日々を過ごしています。

製造業を支えるプロ経営者の輩出を目指して

日本の製造業を復活させるためには、高付加価値型の製品やサービスへのシフトやDX化推進による生産効率の向上など、多面的に施策を講じる必要があります。これらは、従来の仕事のやり方を根本から変える大きな変革です。実現するためには、経営者としての覚悟は当然のこと、経営者になるための学びが蓄積されていることも必要です。学びとは、コンサルティングの経験から得た経営知識のみならず、投資経験や大学研究機関とのアライアンス経験から得る事業を構造的に捉え俯瞰する力や、現場での修羅場経験からくる実行へのハードルを乗り越える胆力など、リアルで深い実践知のことです。IGPIものづくり戦略カンパニーは、IGPIグループのJPiXやATACなどとも連携しながら多様な経験ができるので、日本の製造業を良くしていきたいという志やプロ経営者志向を持った方にとっては、これ以上はない環境と自信を持って言えます。

雰囲気としては、IGPIグループ全体で実行に重きを置いていることから頭でっかちな「Theコンサルタント」という人は非常に少なく、手と足が先に動くアグレッシブな人が多いです。キラキラとしたカッコいい雰囲気の職場というよりは、昔ながらの事業会社っぽいと良く言われますので、製造業出身者も違和感なく馴染めると思います。

日本の製造業変革をリードしていく人材はまだまだ足りていません。日本の製造業の変革を支えるプロ経営者を輩出するプラットフォームとして、日本のプロ経営者不足の問題解決に貢献していきたいです。

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