『IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ』(PHPビジネス新書)
『IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ』(PHPビジネス新書)
【著者】 冨山 和彦(パートナー/代表取締役CEO)
斉藤 剛(パートナー/マネージングディレクター)
古川 尚史(ディレクター)
【出版社】
PHP研究所
会社再生のプロが実践している37の手法が身につく本
・リアル経営分析は企業の健康診断(精密検査)
・そもそもどんな事業を分析しようとしているのか?
・仮説と検証を繰り返して真実に迫る
・分析力は改革力
・会計の有用性と限界を知ること
・経営分析を始めるとき、まず持つべき目的意識とは?
・業界構図の変質の陰には、必ず経済構造の変化がある
・事業経済性を理解すると見えてくる世界
・会社の事業モデルを自分なりに試算してみる
・その会社の事業に最適なスパンで数字を切り取る
・「敵を知り、己を知り」、「百戦しても負けない」戦い方を編み出せ! ほか
~あなたは本当の経営分析ができますか?~
第1問 次の4つのビジネスを、勝ちパターンの違いから2つのグループに分けるとするとどんな組み合せになるか?
それはどんな違いから分けられるのか?
①生コンメーカー ②化学メーカー ③電炉鉄鋼メーカー ④高炉鉄鋼メーカー
第2問 次の4つのビジネスの中で、事業の経済的な性格づけの視点から見て、最も仲間外れの事業はどれか?
逆に最もよく似ているのはどれとどれか?
①大手エアライン ②旅行代理店 ③路線バス ④鉄道
世に経営分析や財務分析の本は山とある。そのほとんどに正しいことが書いてあり、そこで示されている分析の手法や指標は、会社や事業を理解するうえで有効なものである。その一方で、世の中に出回っているアナリストのレポートや、業界専門誌の経営分析、あるいはM&Aなどに関連して調査会社やコンサルティング会社が請け負ってつくる、財務デューディリジェンス(DD)や事業DDの報告書には、あとで読んでみるとかなり「イタイ」内容のものが少なくない。
私自身を含む本書の筆者3人は、いずれも、産業再生機構あるいは現在の経営共創基盤(IGPI)において、会社が生きるか死ぬかの修羅場や経営改革の現実の成果を出さねばならない状況で、真剣勝負の経営分析をやってきたプロフェッショナルである。そうしたリアルな局面で、どんな分析能力が求められるのか、どんな手法が役に立ち、その手法をどのように使いこなせば、有効な分析ができ、会社や事業に関する正しい認識を持てるのか。経営者、投資家、経営コンサルタントとしての私たちのシビアな経験に基づいた、リアルな経営分析の方法論を皆さんと共有することが、本書の目的である。