IPOに向けた準備元年
創業から実質4年が経過し、10件の投資を実行、近々公表できる投資先も控えている。また、パイプラインも充実しており、毎年4~5件の投資を行うことが可能だ。投資先は、みちのりHDによる公共交通インフラや、製造業、医療機関、空港事業、ホテル・旅館業、外食業など、バラエティに富んでいる。さらに、未監査ながら昨年度より連結決算の作成を開始し、数字面では十分にIPOを実行できる水準に到達している。現在の売上高は、交通事業の割合が多くを占めるものの、その他の投資も順調に推移していることから、今後その割合は50%程度になることを予想しており、ポートフォリオ的にもIPOに資すると考えられる。正に、「IPOに向けた準備元年」に相応しい内容といえるだろう。
現在、IPOに向けて、内部統制、J-SOX対応など、アドミニストレーション・バックオフィスの補充・整備を加速させている。特に、当社は投資先の殆どが連結対象であることから、投資先も当社同様の体制整備が求められるため、そのロードマップとなると、はるか遠く、険しいのも事実である。「準備元年」と口にするのは簡単だが、所管責任者として身が引き締まる想いである。
また、投資先の業種がバラエティに富んでいるという最大の特徴は、ややもすると、「コングロマリット・ディスカウント」リスクを孕んでいると思われるかもしれない。ポートフォリオとしての分散効果や、みちのりHDで実践しているような横串(※)のシナジーが当社の多岐にわたる業種間・会社間でも実際の利益に貢献し得ること、かつ、それが持続性の高いものであること、加えてコーポレートガバナンスが優れていること等を、一目でわかるような組織体・構造にし、投資家に対して説明を尽くしていきたい。
(※)みちのりHDは、投資先への常駐者による経営・運営(縦串)と、事業分野・プロジェクト単位の横串機能による、常駐協業型支援を実施している。
さらに、IPOは既存の投資先にとってもメリットがある。前述の通り、相当な労力を各社のアドミニストレーション・バックオフィスにかけることになり、一見負担増と考えられるが、これらの労力は、会社が持続的に成長・拡大するために、ガバナンスやコンプライアンスの観点で極めて重要であることは申し上げるまでもない。古くは、優れた技術を持ち、地方にて輝かしい歴史と実績を残しつつも、ガバナンスや内部統制などの欠如を起因として破綻した名門企業が多く存在したことを皆様もご記憶されているだろう。先人たちの轍を踏まないようと意識し、IPOに準じた制度を導入しようと考えても、それをサポートする人材・機能が周囲・周辺にそろっていないケースも多い。こうした面からも、当社は投資先へのサポートを行い、真に優れた企業への成長支援を行って参りたい。
IPOに向けた準備は、見え方・見せ方も含めて一朝一夕にできることではない。IPOの効果を最大化すべく、「準備元年」以降は、「戻せない時計の針」から着手していく所存である。ぜひ期待して欲しい。